Q.江戸切子は、どこで作られているのですか?
A.主に、江東区に集中しています。元々、燃料や原料を輸送コストの安いだるま船で運んでいたガラスメーカーの多くが東京湾に流れる川沿いに工場を建設した為、切子職人たちの仕事場も自然にその周辺に集まったのです。
Q.現在日本には、江戸切子の職人がどのくらいいるのですか?
A.約80名です。
Q.江戸切子と薩摩切子の違いは?
A.どちらも江戸時代後半に始まったものですが、江戸切子は庶民の手によって実際に使うものとして製作、発展を遂げてきたのに対し、薩摩切子は藩の手厚い庇護の下に主に鑑賞用として製作されました。薩摩切子は薩英戦争の壊滅的被害によりその歴史を閉じることとなります。現在あるものは復元的なものが中心となっています。
Q.江戸切子と薩摩切子、それぞれの特徴は?
A.江戸切子の素材には、透明な「スキ」と、色を薄く被せた「色被せ」があります。カットは鮮明で、正確。仕上がりもはっきりとして華やかです。一方の薩摩切子は、色被せガラスで色も厚く被せるため、カット面に「ぼかし」と呼ばれるグラデーションが見られ、そこが特徴となります。
Q.江戸切子を作るのに難しいところはどこですか?
A.色々ありますが、�口元の仕上げなどの機能性と、デザイン性のバランス。�品物の形状やカットに合わせた道具選び。�輝き方や映り込みをいかに美しく作り上げられるか――などです。技術的には、「スキ」よりも「色被せ」、平らなものより曲面的なもの、低いものより高いもの、極端に小さい、極端に大きいものなどが難しいとされています。
Q.硝子の色は何色あるのですか?
A.堀口ブランドで扱っている色は、スキ(透明)、金赤、瑠璃、薄瑠璃、緑、黄、銅赤、若草、紫があります。主成分として、金赤は純金、瑠璃はコバルト、緑はクロム、黄はセリウム、銅赤は銅、紫はマンガンで色をつけています。
Q.「スキ」(透明)の良さを教えてください。
A.料理や飲み物にはいろいろな色が付いています。その色を愉しみ、邪魔をしないのが「スキ」の良さです。いつまでも飽きが来ず、カットの妙を純粋に愉しめる点も魅力です。
Q.「色被せ」の良さを教えてください。
A.ズバリ華やかさです。カットによっては、「色被せ」だからこそ映えるカットパターンもあります。ギフトには「色被せ」が好まれる傾向があるようです。
Q.江戸切子の「色被せ」の作り方を教えてください。
A.「色被せ」ガラスは、外側に色のガラス、内側に透明なガラスという二重構造になっています。作り方は色々ありますが、一般的に0.5mmほどの薄さが特徴の江戸切子の場合、型の中にまず色ガラスを吹き込み、口を開くように上の部分を切り取った後内側に透明なガラスを吹き込むという方法が主流です。
Q.江戸切子は、どんなお料理と相性がいいですか?
A.江戸切子は懐石料理の器などのイメージが強く普段使いでは敬遠されがちですが、家庭料理でも充分に切子の美しさを発揮できます。冷製スープやデザート(アイスクリームや果物)にもぴったりです。